8|オリパラ利権? 公共施設の盲点?? 中野区に建設予定の体育館に「障害者用の避難スロープなし」の謎


 旧知のルポライターから、中野区(東京都)が進めている「平和の森公園再整備」(体育館の新設)の問題点を指摘する「声」が届きましたのでお知らせします。


 (以下、当方宛のメールから一部抜粋してお届けします)





平和の森公園の平面図。陸上トラックに野球場なども併設される予定(中野区作成の平和の森公園再整備基本設計より)




 新体育館は、中野区新井の「平和の森公園」内(未開園部分)に設置される計画で、川井重雄・前都議会議長と田中大輔中野区長が、2020年東京五輪・パラリンピック選手の練習場としての使用を目論んで建造されるものです。


 ところがこの体育館には、災害時の障害者用の避難スロープ(地震発生時はエレベーターの使用ができません)も設置されません。


 中野区民や障害者の意見を聞くことなく進められていて、区民や車椅子利用の観客やパラリンピアンたちの安全・生命を蔑ろにしています。



体育館の断面図。メイン、サブアリーナなど複雑な構造をしている(中野区作成の平和の森公園再整備基本設計より)




  この体育館設置工事の説明会が、9月22日(新井区民活動センター、19時〜)にありました。


 中野区は、「工事の中身について回答しない」としていましたが、障害者用の避難スロープなどに関する質問が出ると、担当者らの顔色が変わりました。


 質問者からの依頼・了承を得て、中野区とのやり取りを転記します。




体育館2階からの障害者用の避難スロープがないことについて


(質問者)子供に障害があり車椅子を利用しているが、今度できる体育館に2階から避難するスロープがないと聞いてきた。本当か。 


(中野区)避難スロープはないが、非常電源で動く専用エレベーターを1台確保している。


(質問者)2階席には車椅子何台分のスペースがあるのか。 


(中野区)12台分である。


(質問者)12台が一度にエレベーターに乗れると思っているのか。一般の人は避難階段でどんどん逃げることができるが、車椅子の人は待っている間に死んでしまうということにもなりかねない。 


(中野区)東京都のバリアフリー条例には合致している。 


(質問者)条例はもともと精神を規定したもの。2階に上げておいて梯子を外すような施設はおかしい。オリパラ精神にも反する。設計変更を求める。 


(中野区)構造に関わる部分はもう変更できない。するつもりはない。 


(質問者)障害者団体からも要望が出ていると聞いている。 


(中野区)障害者用トイレについて電話で問い合わせがあっただけで、そのような話は聞いていない。




参考資料

中野区のホームページ(当該コーナー)

平和の森公園再整備基本設計(PDF形式)


<中野区の問い合わせ先>

 新体育館整備に関すること

 健康福祉部 健康・スポーツ分野 スポーツ担当

 電話番号 03-3228-8864




 なお、中野区の平和の森公園再整備に関する問題点については、会員制の総合情報誌『月刊ベルダ』にて過去4回にわたり報道されており、第5弾の記事も準備中だそうです。



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